広報チラシ(2005年秋版)
---マスコミの大麻報道の誤り・大麻取締法にも罰金刑の選択肢を---

 カンナビストでは、一般の市民(会社員、学生、フリーター、主婦などなど)を対象に大麻問題を説明したB6サイズのチラシ=フライヤーを作っています。だいたい本の文庫サイズよりひとまわり大きいぐらいのサイズに表裏の両面印刷しています。今回、最近の話題を盛り込んだ新しいチラシができました。

 表面は、「大麻取締法にも罰金刑の選択肢を」というテーマで、現在、法務省が検討している刑法の罰則見直しの中に、大麻取締法の罰則も含めるよう求めた提案をしています。いまの大麻取締法には罰則として懲役刑しかありませんが、1963年までは罰金刑もありました。現行の刑罰は重すぎるので、具体的提案として罰金刑の復活すべきであるという主張です。補足として、マリファナ・マーチを来年も行いますという告知もしています。

 裏面は、「マスコミの大麻報道の誤り」と題して、8月30日付けで共同通信が報じたサイモン&ガーファンクルの一人、歌手アート・ガーファンクル氏が大麻所持で「逮捕された」というニュースが誤報であったことを伝えています。事件があったアメリカニューヨーク州では大麻の非犯罪化が実施されていて、大麻の所持は違反切符を切られる程度の扱いで、逮捕されてはいません。補足として、「非犯罪化」という用語の説明をしています。

○カンナビストでは、このチラシ=フライヤーを各種イベント・ライブで配布したり、いろいろな店舗にまとめて置いてもらうボランティアを募っています。地元で友人・知人に渡したいという方も歓迎します。こうした活動を通じて、大麻問題について一人でも多くの人に知ってもらえることを願っています。ぜひ、ご協力をお願いします。

○チラシ=フライヤーの郵送を希望される方には、50〜100枚単位でお送りします(無料)。希望者はカンナビスト事務局までメールで連絡をください。必要枚数と送り先を忘れずに。

○ご自分でダウンロード・印刷可能な方は、以下のPDFチラシをご利用ください(A4サイズの用紙に表裏が印刷されます)。

 

PDFチラシはこちら≫ 440KB

マスコミの大麻報道の誤り

 2005年8月30日付けで共同通信社は「ガーファンクル容疑者逮捕 またマリファナで」という記事を発表しました。しかし、往年の人気フォークデュオ「サイモン&ガーファンクル」の一人、アート・ガーファンクル氏が逮捕されたという事実はなく、共同通信社による誤報であることが判明しました。
 歌手のガーファンクルさんが大麻所持で検挙された米国、ニューヨーク州ウッドストックにおける少量の大麻所持は軽犯罪法違反に緩和されており、共同通信社が引用した地元紙デイリー・フリーマンの記事においても逮捕ではなく違反切符であったと報じていました。
 共同通信社によるこの記事が用語を巡る過失であったとしても、結果的には海外において非犯罪化という刑罰軽減が実行されている事実を国民から覆い隠しており、同時に報道倫理網領の観点からも重大な違反となります。カンナビストはこれらを考慮した結果、共同通信社に対して強く抗議するとともに訂正記事の発表を要求しました。


大麻取締法にも罰金刑の選択肢を

 新聞報道によると、法務省はこれまで懲役刑しかなかった窃盗や詐欺といった財産犯に対して罰金刑が適用できるようにする法案を今秋、法制審議会で検討することになっています。これは犯した罪に対してバランスの良い罰が適用できるようにするためですが、まさしく大麻にもあてはまることではないかとわたしたちは考えます。
 たとえ執行猶予になったとしても、量の大小や所持・売買に関わらず、現在の大麻取締法は懲役刑しか適用できず、まさに法務省が検討している財産犯と同じ状況です。
 カンナビストでは法務省に対して財産犯同様、大麻取締法においても罪刑均衡の原則が守れる法体系になるよう罰金刑の追加を求める要望書を出して働きかける準備をしています。

大麻取締法と罰金刑:大麻取締法の罰金刑は過去の法改正によってなくなった(現在は懲役刑と罰金刑の組み合わせはあるが、罰金単体の適用はできない)。現在、大麻取締法違反者に対しては懲役刑以外の選択肢はない。