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4. マリファナ、ハードドラッグとゲートウェイ理論

【神話】

 マリファナはほかのハードドラッグにのめり込む入り口となるゲートウェイドラッグである。たとえマリファナそのものがたいして有害ではないとしても、ヘロイン、LSD、コカインといった「ハードドラッグ」の使用につながるため、危険な薬物であることに違いはない。

「マリファナの使用は増加している。……最も広く使われているドラッグであるマリファナの使用がさらに危険なドラッグの使用へと発展する可能性があることから、こうした事実に対して特に警報を発しなければならない」
---ジョイン・トギャザー(1995)

「マリファナを使用したことのある子供たちは、使用経験のない子供たちと比べて、コカインを使用する可能性が85倍も高い」
---薬物濫用耽溺センター(1994)

「マリファナが脳におよぼす生化学的変化によって、ドラッグ探求・摂取行動が起こり、その結果、快楽をもたらすほかの薬物の試用へと発展することが多い」
---ニューヨーク大学医学センター、ガブリエル・ナハース医学博士、他『グラスに手を出すな』(1990)

「マリファナの使用そのものが有害であることに加え、ほかのドラッグを使用するきっかけとなることがあり、……二重の危険性がある」
---オリン・ハッチ上院議員(1996年9月4日)

「マリファナはコカインよりも常用性や有毒性が低いが、……マリファナの喫煙(またはほかの人がマリファナを喫煙しているのを見ること)は、ほかのドラッグを使用してみたいという気持ちにさせる可能性がある」
---麻薬取締政策局(1994年)


【事実】
 マリファナがハードドラッグを使用する原因にはならない。ゲートウェイ理論〔踏み石理論とも呼ばれる〕の因果関係を示す根拠として、一般的に使われているドラッグとそれほど一般的でないドラッグの間に見られる統計的な関係を挙げているに過ぎない。こうした関係は、その時点でのドラッグの普及率の増減により変化するものである。マリファナは今日、アメリカで最も広く使われている違法ドラッグである。ゆえに、ヘロイン、コカイン、LSDなどの普及率の低いドラッグを使ったことのある人が、マリファナを使ったことがあっても何ら不思議はない。マリファナ使用者の多くはほかの違法ドラッグには手を出さない。実際、大多数の人々にとって、マリファナは「ゲートウェイ」(入り口)ではなく、「最終到着地」である。
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