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17. マリファナと交通事故

【神話】

 マリファナの使用は交通事故の主要な原因となっている。アルコールと同様、マリファナは精神運動機能に悪影響をおよぼし、運転能力を低下させる。マリファナの使用が増加すれば、事故による死亡者数の増加も避けられない。

「マリファナの使用は運動制御機能を低下させ、知覚をゆがめ、判断能力に悪影響を与えるため、ほかにも増して自動車事故の増加につながる」
---薬物濫用耽溺センター(1995年)

「最近の研究により、マリファナの使用が交通事故死の大きな原因であることが明らかになっている」
---国立薬害研究所(1994年)

「マリファナ(一般に使われている「普通の」量)が、ハイになっている時はもちろん、主観的な効果が消えてから数時間経った後でも運転能力に重大な悪影響をおよぼすことが科学的に証明されている」
---米国ドラッグ教育委員会(1982年)

「マリファナは(アルコールと同じように)運転能力に重大な悪影響をおよぼす。ある意味でマリファナはアルコールよりも有害だ」
---ペギー・マン『マリファナ警報』(1985年)


【事実】
 マリファナが交通事故や事故死の大きな原因となっているという明らかな証拠はない。量によっては、マリファナは知覚や運動機能に悪影響を与え、運転能力を損うことがある。しかしながら、運転能力を試験した結果、マリファナが車の運転能力を損うことはほとんどなく、少量から中程度の量のアルコールや多くの合法医薬品と比べても一貫して影響が少なかった。危険な運転をしがちなアルコールとは異なり、マリファナ使用者は普段より慎重になることが多い。事故により重症を負った運転手を調査した結果、血液中からTHCが検出された場合、ほぼ全てのケースでアルコールも検出されている。人によってはマリファナが運転能力に悪影響を与えることもある。しかし、マリファナの普及が全体的な交通事故の割合に大きな影響をおよぼしているとは言えない。
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