マリファナ・マーチ2008のお知らせ vol.3


マリファナ・マーチ2008のお知らせ vol.3

(2008年5月4日/カンナビスト事務局)

■5月11日(日)、港区の青山公園(南地区)でマリファナ・マーチin TOKYOを行います。大阪では6月1日(日)、大阪城公園・顕彰塔前広場でマリファナ・マーチin OSAKAを行います。この他、北海道、沖縄でもマリファナ・マーチの準備が進んでいます。
 マリファナ・マーチは大麻(マリファナ)の規制見直しを訴える世界共通行動で、日本では2001年に東京渋谷で行われてから今年で8回目になります。昨年の東京マーチには1000人以上が集まっています。今年の東京マーチはさらに多くの市民、若者が集まろうとしています。
 わたしたちのムーブメントは、政党や組合、宗教団体とは無関係で、大きな資金があるわけではありません。マーチを支えているのは、いまの大麻をめぐる状況はおかしい、理不尽だと感じている市民、若者の力です。本通信3号では、わたしたちは大麻問題をどのようにとらえているか、ご説明したいと思います。

■大麻問題とは?
 大麻……マリファナと呼ばれ、麻薬と同じような危険な薬物、ドラッグだと言われています。しかし、大麻は、大昔から茎から布や縄の繊維を取るために、あるいは種を食用にするために栽培されてきた植物です。縄文時代の遺跡からも大麻で作られた糸や縄が出土しています。大麻は麻とも呼ばれています。 
 恐ろしいドラッグと、人間にとって役に立つ植物が同じものであるとは、どうも結びつきません。
 大麻には誤解や偏見がつきまとっています。それが知識や情報のレベルにとどまらず、深刻な人権侵害さえも引き起こしているのです。

 大麻の雌花(めばな)のまわりには酔いをもたらす成分が含まれ、昔から、薬や嗜好品として利用されてきました。人類は、何百年、千年と、何の問題もなくそれを使ってきました。
 ところが1930年代にアメリカで大麻は有害な麻薬だというキャンペーンがはじまりました。日本でも第二次大戦後のアメリカを中心にしたGHQの占領下、大麻取締法という法律が作られ、取締りがはじまりました。いまでは年間、2000人を超える人たちが逮捕されています。
 テレビや新聞の大麻事件のニュースでは、捕まった人は、何かとんでもない犯罪者のように報じられますが、逮捕者のほとんどはごく普通に暮らしている一般市民、学生です。ここにも大きなイメージギャップがあります。
 大麻には大きな有害性はありません。他の嗜好品と比較すると、過度の飲酒やタバコよりも有害性は低いといわれています。事実、G8(先進8カ国)の国々では、日本を除いて軽犯罪以下の扱いです。日本だけが刑事罰を科しています。外国は軽いというよりは、日本があまりに重いのです。

 大麻取締法という法律があり、違反した人が逮捕されている。法治国家として当たり前のようでいて、しかし、現実には大きな矛盾があります。まず、逮捕された人たちのほとんどは、法律に違反したことは認めても、大麻を悪いものとは思っていません。大麻取締法の方が憲法違反だと裁判で争う人も数多くいます。今の裁判では、憲法違反の訴えは取り上げられず有罪になるのですが、被告は、納得のいかないまま刑に服しています。
 逮捕された人たちは拘留され、職を失った人、学業を中断した若者が数多く出ています。マスコミやネットで実名報道され、後々、まで不利益を被っている人がいます。さらに20代、30代の働き盛りで、何年も刑務所に入れられる人もいます。なかには、大麻事件に関係して自殺に追い込まれる人さえいるのです。

 これは普通の人には見えない現実です。言論の自由が保障されているはずの日本で、マスコミはこういった事実を取り上げません。民主的な社会では、自分とは異なる意見や価値観を認め合い、耳を傾けることが求められると言われます。この理念を、現実の中で生かすことが問われています。大麻問題は、その試金石なのではないでしょうか。
 マスコミ、言論人の間でも、大麻は薬物犯罪という視点が前提になっているため、その逮捕者は指弾されるばかりで、理不尽さを訴えても無視され続けてきました。
 厚労省は、戦後、長い間「大麻」=危険な「麻薬」と言い続けてきました。義務教育の中でもそう教わります。その結果、国民の意識に深く根付き、社会常識になっているので、マスコミも裁判所も国会議員も、それに異議を挟めない状況になっているように思えます。
 近年、日本社会は多数に同調し、少数の意見やマイノリティを叩く傾向が強まっているように感じられます。一個人から企業まで、さらには国家権力の一部である行政、議員、裁判所さえも、そしてマスコミまで、誰もがパッシングを恐れ、縮こまっているように見受けられます。
 しかし、そんな状況の中でも、あるいはそんな状況の中だからこそ、声を上げはじめた社会的マイノリティや人権を求める人たちがいます。マリファナ・マーチの一環として行われるヒューマン・パレードにはそういった人たちも参加しています。
 
 毎年2000人を超える人々が、その多くが若者ですが大麻取締法により逮捕され、人生を傷つけられています。そういった人々の痛みを想うとき、わたしたちは、黙っていることはできません。
 わたしたちは、人間の自然な道理に基づいて、このような理不尽な状況を一刻も早く改めるよう訴えます。

■「マリファナ・マーチ」(東京)は、フリースピーチ、展示、音楽、パフォーマンスのほかフリーマーケットなどもあります。集会終了後、午後4時からは、社会的マイノリティ、少数意見、いろいろな人権問題に取り組んでいる人たちとも手を結び、会場の六本木地区から渋谷までヒューマン・パレード(行進)を行います。2007年マーチ(東京)は、近年、社会的な問題を訴えるデモ行進としては異例といってもいいほど多くの人たちが参加しました。今年はさらに大きな規模になっていくと思われます。

■マスメディアの取材など、積極的に対応いたします。ご関心のある方は、カンナビストまでご連絡ください。

○連絡先 カンナビスト 電話 03-3706-6885 090-6049-0518

○マリファナ・マーチの日時・場所
マリファナ・マーチ2008 in TOKYO
日時:5月11日(日)昼12時〜、ヒューマン・パレードは午後4時スタート(予定)
場所:青山公園(南地区)/港区六本木7丁目
交通:東京メトロ千代田線「乃木坂」徒歩1分・日比谷線「六本木」下車徒歩5分

マリファナ・マーチ2008 in OSAKA
日時:6月1日(日)14:30-17:30
場所:大阪城公園・顕彰塔前広場
交通:大阪環状線「大阪城公園駅」徒歩2分

(注1)マリファナ・マーチとは……毎年5月に世界各国の180を超える都市、町、村で行われる非営利の世界同時イベントです。大麻(マリファナ)の規制の見直しを求めて1998年にスタートし、日本では東京、大阪、札幌などで開催されています。
 マリファナ・マーチの世界共通スローガン……「医薬品として認めよ!(Release The Medicine) 大麻で逮捕するな!(Stop All Cannabis Arrests) 病人を救え!(Heal The Sick)真実を語れ!(Stop The Lies) 自由を奪うな!(End The Prison State)」

(注2)カンナビスト……日本の大麻(マリファナ、カンナビス)取締りは、著しい有害性は認められない大麻に対し過剰に厳しい刑罰を科しており、年間3000人以上の市民が
逮捕されている状況は公権力による人権侵害であると訴えている非営利の市民運動。
1999年設立、会員4288人。http://www.cannabist.org/index.html)

※このイベントは日本国憲法第19条(思想・良心の自由)、21条(表現の自由)に基づくもので法律を遵守して行われます。