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7. マリファナと脳

【神話】

 マリファナは脳細胞を殺す。長期間使用を続けると、マリファナは脳の構造や機能に永続的な変化をおよぼし、記憶の損失、認識機能障害、人格異常、生産性の低下を引き起こす。

「脳組織の細胞壁が完全にTHCで飽和すると脳細胞は死んでしまう。死んだ脳細胞は二度と取り替えがきかない」
---コネティカット州通信連絡委員会(日付なし)

「日常的な使用を続けると、若者の脳に大脳萎縮が生じる」
---ペギー・マン『マリファナ警報』(1985年)

「慢性的なマリファナの使用は脳損傷を引き起こし、老化と同じような変化をもたらす」
---薬物濫用防止局(1989年)

「マリファナの向精神成分デルタ9-THCは…人間に近い霊長類である猿の脳に永続的な機能と構造の変化を引き起こす」
---米国ドラッグ教育委員会(1981年)


【事実】
 人間の脳損傷の検出に現在用いられている医学的試験では、長期にわたり大量に使った場合でも、マリファナによる損傷が発見されたことはない。初期の研究では、6ヵ月間にわたり高濃度のマリファナの煙にさらされたアカゲザルに脳損傷が見られたと報告されたことがある。最近のより慎重に行われた研究では、4本から5本のマリファナタバコに相当する量を一年間にわたり毎日強制的に吸い込まされた猿の脳にも異常は確認できなかった。マリファナが脳細胞を殺すという主張は、科学的研究による裏付けを欠く25年以上前の不確かな報告にもとづくものだ。
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