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9. マリファナ、記憶、認識機能

【神話】

 マリファナは記憶と認識機能に損傷を与える。マリファナの影響下にある人々は論理的にものごとを考えることができない。慢性的なマリファナの使用は永続的な知的障害を引き起こす。

「マリファナは短期記憶と集中力に激しく襲いかかる」
---薬物濫用耽溺センター(1996年)

「マリファナは話をしたり、聞いたり、考えたり、ものごとを覚えたり、問題を解いたり、考えをまとめることを困難にする」
---国立薬害研究所(日付なし)

「カナビスの使用は急性的な精神錯乱を引き起こすことがあり、長期的には精神機能を衰退させる」
---ニューヨーク大学医学センター、ガブリエル・ナハース医学博士(1995年8月6日)

「知的能力を必要とする職についている人々は、マリファナを吸うのを止めてから数カ月から数年間経っても吸いはじめる前の能力レベルに戻らないと報告している」
---米国ドラッグ教育委員会(1981)

「THCは学習、記憶、感覚の統合に重要な役割を果たしている脳の海馬にある情報処理系のニューロンを抑制する」
---国立薬害研究所(1996年)


【事実】
 マリファナは思考、知覚、情報処理に即時的かつ一時的な変化をもたらす。マリファナにより最も顕著な影響を受ける認識機能は短期記憶である。研究室で行われた実験では、マリファナの影響下にある被験者は、以前学んだことは何ら問題なく思い出すことができたが、新しい情報を学んだり思い出す能力には低下が見られた。こうした能力低下は陶酔している間に限られる。長期にわたる大量のマリファナの使用が記憶やほかの認識機能に永続的な損傷を与えるという確固たる証拠は存在していない。
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